蒼き森の麗人(アルテミス)
アルテミスは、ゼウスがティターン神族とボイベーの娘レトーに生ませた子で、アポローンと双子の妹である。アポローンが太陽神と同一視されるのと同様にアルテミスも月の女神と混同されている。彼女は若く美しい処女神であり、誕生、多産、子供の守り神でもある。又、山野や森を支配し、ニンフ(妖精)達を伴い、野山を駆け巡り銀弓を持つ狩りの女神でもある。潔癖で厳しい一面を持っていて、その日も狩りの疲れをいやす為に、森深い泉でニンフ達と水浴を楽しんでいたが、その様子を狩人のアクタイオーンが見てしまった。女神はそれに気付くと裸身を見られた恥ずかしさと怒りで、狩人に泉の水をふりかけた。すると彼の体は、角が生え手足が細くなり、みるみる一匹のしかになってしまった。突然鹿にされたアクタイオーンは、狂気の様に森をさまよっていると、かつて狩りの時に彼に伴っていた猟犬たちに襲われてしまいます。又、月の女神セレネーと同一視されている話として、羊飼いのエンデュミオーンに恋をして、彼に不老不死を授けそのかわりに永遠の眠りを与えた物語がある。この作品はアルテミスの処女神としての気高さと、潔癖で厳しい中にある美しさを表現している。
Copyright 1999 Masasuke Chiba
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