神託の成就(イオカステー)
テーバイ王ラーイオスはイオカステーと結婚したが、「男子が生まれれば、その子に殺害されるであろう。」と神託を受ける。
王は神託を恐れ、赤児を山中に捨てさせた。偶然羊飼いに拾われた赤児は、コリントス王ポリュボスの養子として迎えられ、オイディプースと名付けられる。成長したオイディプースにある日、不思議な神託が下り「おまえは父を殺害し、母と結婚するであろう。」というのだ。彼はこれに恐れ、自分の両親と信じる王ポリュボスと王妃メロベの為にコリントスを去り、旅を続けた。ある日イオカステーは、王ラーイオスが旅先で山賊に襲われ、死んだと知らされる。そしてこの頃テーバイは怪物スフィンクスに悩まされていて、この怪物を退治した者は、イオカステーと結婚できる布告が出されていた。難なくスフィンクスを退治したオイディプースは、イオカステーと結婚し幸福に満ち、国を平和に治めた。しかし、ある時テーバイに悪疫が流行し、神託をうかがうと「前王の殺害者を罰せよ」とのこと、よくよく調べてみるとそれは、驚くことに自分自身であった。イオカステーの驚きと悲嘆は計り知れない。あの若き王との至福の日々は、なんだったのか。愛する人が我が子とは、なんと恐ろしく忌まわしき運命か。イオカステーは悲しみのあまり自らの命を断ってしまった。

*「イオカステーとの結婚」:オイディプースがそれと知らずに父を殺害し、母と結婚したこの話にちなみ、心理学者のフロイトは「エディプス(オイディプース)コンプレックス」という用語を用いた。エディプスコンプレックスとは「男の子が母親を独占したいと思う心から、父を憎み、同時に恐れることから生じる精神的、心理的要素」である。

Copyright 1999 Masasuke Chiba

商品番号:CM035 商品名:神託の成就 技法:シルクスクリーン(22版・22色使用)
和紙(半草鳥の子) 紙サイズ:縦75cm/横41.5cm イメージサイズ:縦65.5cm/横31.5cm
エディション枚数:65枚 価格:450,000円(額装付・消費税送料込み)

画天プロジェクトwwwサーバーが提供する情報・画像等を権利者の許可なく、複製・転用・販売などの二次利用をすることを固く禁じます。
Copyright 1999 GATEN PROJECT INC.