妻の座(ヘーラー)
大神ゼウスの正妻で、女神の最高位にあり、結婚、出産を司り、家庭・女性・子供の守護神である。英語名は、ジュノーで6月(JUNE)はヘーラーの月である。6月の花嫁(ジューン・ブライド)は、ヘーラーの加護を受け幸せになると、言われている。聖鳥は、孔雀。三美神として、パリスの審判においては、全アジアの支配を約束、権力と富を保証した。<権力と富>
パリスの審判
ゼウスが寵愛する娘のテティスとペレウスの結婚式に、唯一人招かれなかった「争いの女神エリス」は、これに腹を立て、何かいざこざを起こしてやろうと考え、黄金のリンゴを手に入れ、それに「最も美しい女神に」と記して、結婚式の会場に投げ込んだ。女神達は、みな内心では自分が一番美しいと思っていたが、なかでもヘーラー・アテーナー・アプロディーテーの三人は特別で、それは自分のものだといって、断固として譲らなかった。ゼウスは立場上、自分が判定者になるのはまずかったので、イデ山にいるパリスを指名した。三人の女神は、パリスを買収するために、すぐにイデ山に飛んでいった。パリスは突然のことで狼狽した。が、ヘーラーは気にせず、もしも自分を一番美しいと認めたら、全人類の支配者にしてやろうと申し出た。すると、アテーナーは戦争における勝利を約束した。アプロディーテーはただ、世界で一番美しい女性ヘレネーを与えようと言った。そしてこの問題に、パリスは迷わずアプロディーテーを選んだのである。
Copyright 1999 Masasuke Chiba
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