林檎の誘惑(アタランテー)
アタランテーの父は男子誕生を願っていたが、生まれたのが女の子だったので、その赤子を山中に捨てた。牝熊が乳を与え、後、猟師に拾われて、狩りの女神アルテミスのように処女を守り、男まさりの美しい女狩人に成長した。アタランテーは乱暴者のケンタウロス達に犯されそうになるが、逆に射殺したり、カリュドーンの猪狩りに参加し、狂暴な大猪に一番矢を射った。又、ギリシア各地の競技や、冒険に参加し、男達相手に数々の勝利を得た。後、父と再会して、父は年頃の娘に結婚を進めるがあまり関心を示さず、仕方なく、求婚者と競走して、自分に勝てる男がいたらその人の妻になるが、負けた者は死を求めた。それでも多くの若者が挑戦したが敗れ、次々に冥界に送られた。従兄のメラニオーンもその一人だったが、アプロディーテーに一途な想いを願い出ると、女神もそれを聞き入れて、三つの金の林檎を与え助言した。追いつかれそうになったら一つずつ林檎を後に投げ、彼女がそれを拾っている間に、彼は勝利を手にした。約束通りアタランテーはメラニオーンの妻になったが、彼女も彼に恋をしていて、わざと負けてやったとも言われている。
Copyright 1999 Masasuke Chiba
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