蠍座(10/24〜11/22)
〜恋多き狩人(オーリーオーンとアルテミス)〜
さそり座は夏、南の夜空にそれと見てわかるS字を描いて輝く星座です。蠍の心臓と思われる部分にある赤い一等星のアンタレスがひときわ目立って輝きます。神話の中でもオリオンと蠍については多くの人々に慣れ親しまれていることでしょう。
オリオンは狩り人として、その腕っぷしの強さを「自分の右に並ぶ者はいない」と誇張するあまり、大神ゼウスの妻であるヘラの怒りにふれてしまいます。思い上がる事なかれとヘラの差し向けた毒蠍に足元をさされ、オリオンはあっけない死を遂げます。両者は星座として空へ上げられますが、オリオンは蠍を恐れるようになったことから、蠍が空に昇る頃には逃げるように身を隠してしまうのです。そして実はもう一つ物語があり、そこにはオリオンに恋をしたアルテミスの存在があったのです。海の守護神ポセイドンとアマゾンの女王エウリュアレの息子オリオンは自他共に認める狩猟の名人でありました。その狩りを通して、月と狩りの女神アルテミスの心を魅了した唯一の青年だったのです。処女神として兄アポロン以外の男性に目もくれなかったアルテミスの恋心。アポロンはこれに嫉妬を覚えずにいられませんでした。祖母である大地の女神ガイアを通して、オリオンに蠍を差し向けたのです。蠍との戦いに敗れたオリオンは、アルテミスの願いのもとに星座となりました。一方、反対の位置には蠍も星座となり、オリオンを倒したことを称えられたということです。
Copyright 1999 Masasuke Chiba
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