射手座(11/23〜12/21)
〜賢者の誉(ケイローン)〜
夏から初冬にかけて天の川をはさんでさそり座の東隣にあるのが射手座です。さそり座へと矢先を向けたその姿は、ケンタウロス同様、上半身が人間であり、下半身が馬ですが、巨神族クロノスと水神の娘ピリュラとの子として生まれたケイロンなのです。
ケンタウロス族は酒と女好きの粗暴な性格の者が多いといわれる中で、ケイロンはそれとは異なる性格の持ち主でした。太陽神アポロンと月の女神アルテミスから学問と美術に優れた能力を授かり、ヘラクレスや双子のカリストとポリュデケウスなど英雄として名を残す多くの人物の師となる存在だったのです。勇者となったヘラクレスとケンタウロス一族との戦いで、ヘラクレスの放った矢が誤ってケイロンの足に突き刺さり、命を落とすことになるのです。ヘラクレスの「十二の仕事」で二番目の敵となった水蛇ピュドラの猛毒の塗られた矢であったために、医療を心得ていたケイロンでしたが、自らの傷を治すことはできませんでした。惜しまれる人物であったがゆえに、ケイロンは天へと上がり、特技の一つに狩りもあったことから矢を射ようとかまえる姿のままに星座となったのです。
Copyright 1999 Masasuke Chiba
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