無情の矢(アポローン&アルテミス)
アルテミスさまは幼少の時に、父神ゼウスさまに贈り物をねだりました。永遠に処女であること、兄のアポローンさまのように弓矢を持ちいつも狩りが出来ること。ゼウスさまは可愛い娘の願いを叶えてやり、アルテミスさまは狩りを司る処女神となられたのでございます。
自然をこよなく愛され、豊饒を与え、まだ乳離れしない幼獣の守り神でもあり、処女神ながら妊産婦の守護者でもございました。常にニンフや娘たちを従えて山野を駆け巡り狩りを楽しまれましたが、異常なまでの潔癖さから、彼女を取り巻く娘たちは全て処女でなければなりませんでした。ですから男性との交わりが発覚すれば、ただちに厳罰が下され追放されたのです。偶然の行為であれ、女神さまが侮辱と感じた時には容赦のない、手厳しい罰を与える冷血な面も持っておいででした。そしてアポローンさまが太陽神と同一視されましたように、アルテミスさまも月の女神と同一視されたのでございます。厳しくもりんとしたアポローンとアルテミスを、大きな月を背景とし曲線と直線を大胆に取り入れ、融合を目指した作品に仕上がっている。
Copyright 2000 Masasuke Chiba
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